こんにちは。ブリリア大井町ラヴィアンタワー歯科クリニックの歯科医師の加藤です。
僕は去年の6月からこちらのクリニックで働かせてもらっています。
院長の鹿野先生とは大学の同期で、勉強熱心な鹿野先生と一緒に働くことは僕にとっても刺激的な毎日です。
さて、今日は意外と皆さんに心当たりがあるんじゃないかというお話をしようと思います。
皆さんは「TCH」という言葉を聞いたことがありますか?
これは「Tooth Contacting Habit」の略で、「歯列接触癖」とか言います。
「歯ぎしり(ブラキシズム)」や「食いしばり(クレンチング)」は聞いたことあると思いますが、それとはちょっと違います。
これを読んでる今この瞬間、あなたの上下の奥歯は触れ合ってますか?
触れ合ってなければそれが正常です。
実は上下の歯が触れ合うのって基本的には食事の時だけなんです。
一日20分程度と言われてます。
それ以外の時は隙間が空いてるのが正常で、その状態を安静位とか安静空隙と呼んだりします。
要はその状態が顎にとって一番リラックスしている位置なんですね。
しかし緊張したり力を入れるときに奥歯をグッとくっつけることがあります。
これが「食いしばり」ですね。
または寝ているときにギリギリとすり合わせてしまうのが「歯ぎしり」です。
それとは別に、日常的に無意識にただ上下の歯が接触している。そんな人は「TCH」という習癖があるかもしれません。
歯ぎしりや食いしばりがあまり歯に良くないだろうなというのはなんとなく想像つくと思いますが、実はこのTCHも歯や顎の関節、筋肉に悪影響を及ぼす可能性があります。
上下の歯を触れ合わさせる、それだけで顎は筋肉を使いますし、歯の周囲には歯根膜という靭帯のような組織があるのですが、その膜が血流不足になる可能性があります。
まぁなんとなくのイメージで言うと、無意識のうちに肩ひじを張ってしまっていたり、眉間にシワが寄ってたりするようなイメージでしょうか。
凝るよねーってイメージは伝わりますか?
この習癖によって顎関節症や頭頚部の筋疲労、歯の知覚過敏や歯周病の増悪を招く可能性があります。
特に最近はこのTCHを持つ人が増えてると言われています。
そもそも下顎の骨は耳の近くの顎関節を支点にブランコみたいにぶら下がっています。
なので頭を下に向けると上下の歯の位置は近くなります。
逆に上を向くと歯の位置が離れます。(試しにやってみると分かりやすいです)
つまり下を向くと上下の歯が近くなるので無意識にくっつきやすくなるんですね。
スマホの普及によって下を向いている時間が増えたことも一因として考えられます。(あとはやっぱりストレスですかね…)
もしこれを読んで上下の歯がくっついてることが多いと感じた方は、まず意識するところから始めてみて下さい。
ちょっと分かりづらいところもあったかと思いますが何か心配なことがありましたら気軽に当院にご相談ください。