こんにちは。ブリリア大井町ラヴィアンタワー歯科クリニック 歯科助手の増田です。
まだまだ暑い日が続きつつも、朝晩はずいぶんと過ごしやすくなりましたね🍂
秋の空気は気持ちが良いですが、急に激しい雨が降ったり、かと思えば強い日差しが突然照りつけたりと、急変しがちな空模様に振り回されることも多々……。
昔からよく言われている、秋の天気は変わりやすい、という言葉を実感する今日この頃です。
ところで少し前にSNSの一部の界隈などでは話題になっていたのですが、
『日本口腔衛生学会』が8月31日付で発表した【乳幼児期における親との食器共有について】という文書のことを、皆様はご存じでしょうか?
「子供の虫歯菌は親からうつる」
「食器を介してうつるので、子供が幼いうちは虫歯を防ぐために親子の食器を共有しないほうがいい」
こういったお話についてはご存じの方も非常に多いかと思います。
ところが、日本口腔衛生学会から新たに発表されたところによると、これまで常識とされていた「虫歯菌の感染予防のために親子の食器を分けるべき」という考え方は、もしかしたらそれほど重視しなくてもいいことなのかもしれない……というのです。
発表の内容を要約・引用しますと、
「親からの口腔細菌感染は、生後4ヵ月など離乳食が始まる前(=食器の共有が始まる前)から既に起こっている。日々の親子のスキンシップを介して子供は親の唾液に接触するため、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はない」
「う蝕(虫歯)は様々な要因で起こる。そのため、食器の共有に気をつけていれば子供のう蝕の発生を減らすことができる、というはっきりとしたデータは得られていない」
などです。
なかなか衝撃的ではないでしょうか……?私はとても驚きました。
もちろん、食器を共有しないよう注意を払うことが全て無駄だなどということはありません。
口腔細菌感染が食器を介して起こること自体は事実ですし、風邪やインフルエンザなど虫歯菌以外の様々な感染症の家庭内感染を防ぐためにも、これまで通り習慣として続けることには大きなメリットがある、と複数の小児科医がコメントしているのを見かけました。
ただ、少なくともお子さんの虫歯予防に関しては、大人との食器の共有について神経質になりすぎる必要はないと考えられる、という見解が公式に発表されたということです。
これまでの常識が引っくり返るような発表と言って差し支えないと思います。
こちらの日本口腔衛生学会の発表内容については一般公開されているものになりますので、ご興味がおありの方は是非インターネットで全文を検索してみてください。ごく短い文書ですし、内容もわかりやすく書かれています。
常識とされていたことが後から訂正されたり変更されたりすることは、例えば医療現場や栄養指導の現場においては、実は意外とよくあるのです。日々研究が進み、新しい発見がなされている証拠ですね。
まるで秋の空のように日々変わりゆく『常識』ですが、我々はそれにあまり振り回されすぎないようにしつつも、できるだけアンテナを張り巡らせて新しい知識を吸収していけたらいいなあ、と改めて思った今回の出来事でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様、秋の空の気まぐれにはくれぐれもお気をつけて、この素敵な季節をめいっぱい楽しんでくださいね!